思想と行為が弾劾し合い心が宙に彷徨ったブログ

私の生きた軌跡をここへ残しておきます

私の正義

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夏の長期休みに入り、日中が暇になった私は派遣アルバイトに登録した。


派遣先は工場だ。そこで私は1日中、果物のヘタをとるという職務についた。

 

その工場は様々な派遣会社から様々な人が集まってきていた。

 

仕事中は黙々と作業を行うのだが、私は休憩室で違う派遣会社の三人組みと仲良くなった。

 

ネイルの専門学校に通う女子学生と男子大学生、そして20代後半くらいの男性Hだ。

 

Hは大学院卒業後に就職するも、退職し司法書士になるためにアルバイトをしながら試験突破を目指していた。

 

 

私達4人は、よく仕事終わりにでファミレスでお喋りを楽しんだ。

 

 

Hの影のあだ名はインテリ君、うんちく君だ。


Hは私達の会話に何か一言つけくわえないと気が済まない性格で、特に私に対して批判的だった。


Hは私が発言すると必ず「は?」といった。


彼の口ぐせは、「で?」「それで?」「それになにか意味はあるの?」だ。

 

 

ファミレスで私がパフェを注文した時も激しく非難してきた。

 


「は?それ夜ご飯?ちゃんとご飯を注文しなよ。
パフェはご飯にならないし、そういうのを注文すると頭が悪そうに見えるよ。」

 

 

他の二人は「好きなもの食べたらいいじゃん」という意見でだったので、私はパフェを注文した。

 

 

 

 

 

 

工場での昼休み中、テレビで尖閣諸島問題が取り上げられており、Hは私に意見を求めてきた。

 

「最近の若者の意見を聞きたいなぁ、これについてどう思う?」

 

 

私「喧嘩は良くないので誰も住んでいない小さな島はあげてしまってもいいと思います。」

 

 

 


するとHは色白の顔を赤くして怒り始めた。

 

 

 

 

「じゃあ、中国が沖縄や四国を奪いにきても同じことがいえる?
1個許すとね、人間は付け上がるんだよ。僕は日本も武装するべきだと思うね。
それは戦争に賛成しているわけじゃなくて日本の平和のためにね。」

 

 

「君みたいな、知識のない偽善者と犯罪者が日本を壊すんだよ。
少しは勉強した方がいいよ。無知の人間は発言する資格もないから。
○○ちゃん(私)は、誰にでも良い顔して、正義の味方ぶるけど、それは正しいことではないよ。」

 

 

「社会に司法書士や弁護士や税理士が存在するのはどうしてだと思う?
○○ちゃんみたいな無知な人間のためにじゃないよ。
国がわざとシステムを難しくしてるんだ。無知な人間から金を搾取するためにね。」

 

 

 

「勉強するといってもテレビは見ない方がいいよ。
テレビで報道されてる内容なんて操作されたものだからね。
あんなものは信用するに値しないよ。」

 

 

私は内容をすべて覚えてはいないが、Hは約一時間、早口で喋りつづけていた。

 

 

 

 

 

 

 


工場でアルバイトを初めて数日後、新しい人(K)が工場に派遣されてきた。

 

季節は夏だったが、Kはいつも長袖に屋内でもキャップを被っていた。


休憩室でも誰とも話をすることはなく、いつも鋭い目つきをしていた。

 

 

HはそんなKに関わらないように私にしばしば注意喚起をしていた。


けれども、Hの知らない所で私とKは交流があったのだ。

 

 

 

 

 


HはファミレスでしばしばKのことを話題に挙げた。

 

「真夏に長袖、キャップ、、、、。大方、体に刺青でもはいってるんでしょ。
○○ちゃん、あーいう男には近づかないほうがいいよ。
○○ちゃんみたいな、偽善者がああいうのに騙されて泣かされるんだよ。」

 


「だいたい、こういう工場でしか働けないような大人は社会不適合者の集まりだから。いわば、社会の底辺。目が死んでる人ばっかりでしょ?」

 

 

 

私「そしたら私達は、社会不適合者でしょうか?」

 

 

 

Hはため息をついた。

 

 

「社員と僕たちみたいなアルバイトはまったく違うから。
だいたい僕は人にペコペコするのが嫌だし、人に接するのも面倒くさい。
それに、決まった勉強時間を確保したいから工場で働いてるだけだよ。」

 


「君たちも、就職先はしっかり考えて決めたほうがいいよ。
学生だからまだ分からないだろうけど、社会は頭の悪い人間が頭の良い人間に使われるシステムになってるからね。

ただ、○○ちゃん(私)は女に生まれて運が良かったね。
高収入の男を捕まられるようにせいぜい努力したらいいよ。」

 

 

 

 


私「なんだか、Hさんの話聞いてると悲しくなってきますね。
私はみんなで仲良く協力できる社会になったらいいと思いますよ。」

 

 

 

 


「は?本気でそんなこと思うなら政治家にでもならないといけないね。
どうせ○○ちゃんは選挙にすら行ったことはないだろうけど。
最近、選挙にもいかずに政権批判してる人間が多いけど、選挙に行かないような人間は批判する権利もないからね。」

 

 

 

図星であった。私は選挙に行ったことがなかった。

 

 

 

 

私「私は別に政治家になりたいわけでもないです。権力もお金にも興味ないです。」

 

 

 

 

 


「は?権力がないと人間は何もできないよ。そしてお金もないとね。
日本では25歳を過ぎればだれでも政治家を目指せると言ってるけど、金を集められない人間は立候補すらできないに等しいからね。
この世の中には何をするのだって金がついて回るんだ。そして勝ち負けもね。」

 

 

 

 


選挙にかかる費用は、選挙の種類や地域・選挙区の規模などによって大きく異なる。


例えば、一般的な市議会議員選挙の費用は200万円~800万円。


参議院選挙では6,000万円以上とも言われている。


更に、立候補するに当たって供託金という制度がある。


供託金とは、立候補者に法律で決められた金額を、一時的に法務局に預けるお金だ。
当選を争う意志のない人、売名などを目的とした無責任な立候補を防ごうという制度で、 選挙の種類別にその額が決められている。


一定の得票数を満たすことができれば返却され、規定の得票数に達しなかった場合や、途中で立候補をとりやめた場合などは没収される。


市区の長ならその額は100万円だ。


Hの言う通り、日本はお金がないと政治家になれないシステムになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、ファミレスでHは眉間に皺をよせてこんな話を始めた。

 

 

「やっぱりKさんは危ない人間みたいだよ。前科者だ。
それも、人間の屑みたいな犯罪を犯してるよ。」

 

 

Hはどこで情報を仕入れてくるのか分からないが、父親は警察のお偉いさんのようだ。


その影響からか、Hは犯罪者を社会から排除するべきだという強い信念を持っていた。

 

 

 

 

私「そういう話やめませんか。もう法律で罰せられてるんですよね?
過去のことを持ち出してくるのは止めましょうよ。」

 

 

 


「は?○○ちゃんは間違ってるよ。罪を償ったらそれでいいなんて甘い。
○○ちゃんの親が殺されたら、同じことが言える?
被害者の立場に立って物事を考えてみなよ。犯罪者は社会のゴミだ。」

 

 

 

 

 

 

他の二人は私と同意見だった。

Hは私に捨て台詞を吐いてKの話をやめたが、不満そうな顔をしていた。

 

 


私はKの犯した罪が何かは知らない。

 

 

 

 

 


その次の日、Hは私に一冊の本を貸してくれた。


東野圭吾の長編小説「さまよう刃」だ。

 

会社員・長峰重樹の一人娘・絵摩が死体で発見される。悲しみに暮れる長峰に、数日後、犯人の名と居場所を告げる密告電話がかかってくる。 逡巡の末、電話で言われたアパートへ向かう。留守宅へ上がり込み、部屋を物色すると、複数のビデオテープが見つかる。
そこには絵摩が犯人2人に陵辱されている映像が写っていた。偶然帰宅した犯人の一人・伴崎敦也を惨殺した長峰は、虫の息の伴崎からもう一人の犯人・菅野快児の潜伏場所を聞き出し追う。(wikipediaより)

 

 

 


犯人の菅野快児は反社会的な人間で、読む人の胸を締め付けるような残虐な行為を平然と行う。


彼は小説の中の架空の人物だが,行動に出るかどうかは別として,社会性に欠けた、自分本位な人間は特殊な例ではない。


その証拠に、このような事件が世間では日常的に起こっているのだ。

 

そして、私は強い疑問を抱いた。本の中にも書いてあったこの疑問だ。

 

 

「警察の守ろうとしている正義が本当に目指すべき正義なのか」

 

 

悪とはなんなのだろうか。法律にかからなければそれは悪ではないのか。


法律は誰が誰を守るために存在するのだろうか。


更にその犯罪者を取り締まる法律や警察すらも完璧なものではないとなると、

本のタイトルの通り、刃は今もさまよったままだ。

 

 

本に書かれていたこのセリフは今も私の心に残っている。

 

 

「警察は市民を守っているのではない、法律を守ろうとしている。
その法律も完璧なものではないから改正が行われる。
完璧でないもののために警察は人の心を踏みにじっていいのか」

 

 

私は,本を読み終えた後、菅野のような更正の望みの薄い人間は少年法の適用を除外すべきではないだろうかとも考えた。


そして、私はHの言葉を思い出した。

 

 

「○○ちゃんの考えは間違ってる。罪を償ったらそれでいいなんて甘いよ。
○○ちゃんの親が殺されたら、同じことが言える?被害者の立場に立って物事を考えてみなよ。犯罪者は社会のゴミだ。」

 

 

Hの言う通り、私の考えは甘く浅はかなものだったのだ。

 

 

 

 


私は1日でこの本を読み終えた。


この頃、長期休みが終わりアルバイトを辞めた。


そのため、いつもの4人でファミレスに行くこともなくなった。

 

 

 

私はHに本を返すために連絡をした。


そして、私達は初めて2人きりで食事にでかけたのだ。

 

Hの連れて行ってくれたお店は不思議な店だった。

 

 

外観はお洒落なダイニングバーなのだが、店内は年季の入ったポスターや戦車の模型、戦争関連の写真などが壁に飾られていた。


そしてカウンターのすぐ後ろには、大きな日本国旗が飾られていた。


私たちはその日本国旗を背景にカウンター席に座った。

 

Hとマスターは顔見知りのようで、楽しそうに会話していた。


会話の内容は政治の話だ。


私は相変わらずの無知で話に入れなかったので黙々と食事を楽しんでいた。

 

 

するとマスターが私に話をふってきた。

 

 

「君は誰か尊敬する政治家はいる?」

 

 

私は、新聞も読まないどころかテレビも見ないような学生だった。


そのため、当時の首相を安倍晋三と勘違いしていたが、安倍晋三は2007年に退任しており、当時の首相は野田佳彦だ。

 

私は本当に適当に
「安倍さんがなんか好きですね。優しそうで。」と答えた。

 

 

すると、マスターとHは顔を見合わせ笑いだした。


マスターは私の人を見る目、感性が素晴らしいと褒め、メニューにないスペシャルパフェを作ってくれた。

 

Hもなぜか嬉しそうだった。


安倍晋三の話がでてから、Hは私を懐かしいものでも眺めるような優しい眼差しで見つめていた。


私たちはカウンター席に隣同士に座っていたのだが、Hは自分の足を私の足に密着させはじめた。

 

 

私にはHの行動が了解不能であった。


いつも私を怪訝そうな目で見ていたHが、なぜ安倍晋三の話でラブモードへと突入したのか。


安倍晋三にどんな意味があったのかは分からないが、再び総理大臣となった彼には何か目には見えないパワーがあるのだろう。

 

 

けれども、この了解不能な流れを変えたかった私は、
Hの足からそっと距離をとり、友人にしてもらったフットネイルをHにみせた。

 

 

私「これすっごく可愛くないですか?」

 

 

 

するとHの優しい眼差しはいつもの怪訝そうな眼差しに戻った。

 

 

「は?そういうの更にバカっぽく見えるからやめた方がいいよ。
お金の無駄使いだし、全然似合ってないよ。あと、その服装もどうかと思うよ。
スカートは膝が隠れるくらいがいいよ。制服のスカートの丈の長さで高校の偏差値もわかるよね。うんぬんかんぬんうんぬんかん‥あと、その髪の色もどうかと思うな。」

 

 

Hはひどく私の容姿を非難してきた。
当時も今も、私は服や髪型に自分のこだわりがない。
当時は友人や店員に勧められた服を買い、髪も知り合いの美容師にお任せでされるがままであった。
服装は年相応であったが、髪型は少々派手ではあった。

 

「す、すごい言いようですね。人を見た目で判断したらダメですよ。」

 

 

彼は深く溜息をついた。

 


「あのねぇ、残念ながら人は見た目で判断するんだ。
君は茶髪に派手なネイルした医者に手術してもらいたい?
見た目を変えないと、人は君の意見なんて聞いてはくれないよ。」

 

 

確かにHは黒髪に知的そうな眼鏡をかけていた。
そして、バイト帰りでも清潔感のある服に先のとんがった綺麗な靴を履いていた。

 


ご飯も食べ終わり、帰る雰囲気になったので私は彼に「さまよう刃」を返した。

 

 

するとHは思い出したように私にこう言った。


「そういえば、Kさん仕事こなくなったんだよ。辞めてくれてみんな安心してるよ。
どうして、あんな人間を会社は受け入れるんだろうね。
犯罪者には一生、罪を背負わせるべきだよ。
自分は犯罪犯しながら、のうのうとゴルフするなんて許されないよ。」

 


私はHの言葉に違和感を覚えた。

 

 

 

帰り際にマスターは「また、おいで」と優しく微笑み、お手製のDVDをくれた。


私は帰宅後すぐにこのDVDを鑑賞した。

 


タイトルはたしか、「日本国のはじまり」だったであろうか。

 

モノクロの戦時中の映像から始まったそのDVDは戦争の悲惨さを物語っていた。
私の知らなかった日本の姿、他国が日本に行った残虐な行為をそのDVDは教えてくれた。


それは私の知っている幸せな世界ではなかった。

 

けれども、これは現実に起きたことなのだ。


やはりHの言う通り、私は浅はかな考えしか持っていなかった。

 

 

 

 


人の言っていることをすべて信じるのは決して善意ではない。


いままで私は社会の良い所、人の良いところばかりに目を向けていた。


私は広い視野を持って冷静に社会を見るべきなのだ。

 

そして、知識や権力を持たなければ、自分の意見など周りに聞いてはもらえないのだ。


正しいことをするために、私は勉強をしなければいけないと強く思った。

 

 

翌日、私は美容院へ行き髪の色を黒に変えた。


そして、後期から真剣に学業に取り組み始めた。


先生や友人は頭でも打ったのか?失恋でもしたのか?と笑っていた。

 

 

 

 

 

 


私のパーソナリティはHに大きく影響を受けたに違いない。

 

けれども、それと同時にHの言動や行動に私は疑問を抱きだした。

 

自分を一段高い位置に置いて優位に立ち、誰かがやった事や、それをやった誰かを非難したり、自分と人を線引きする行為についてだ。

 

Hは犯罪者や社会のルールを守らない人間を激しく非難した。


けれども、犯罪者を取り締まるのは警察の仕事で、犯罪者を罰するのは法律だ。


Hはそのような権限もないのに、犯罪者や反社会的人間を社会から排除しようとしていた。

 

法律や社会のルールがあるから、私達にはそれを守る義務が発生する。


そして、私たちはそれを守ることによって自分を正当化し、自分の良心を守ることができる。

 

更に他人に対して正義を振りかざしやすいのだ。

 

それは、もはや誰が正しいかというような事ではなくなっている。

 

 

そして、それは他者に対する自分の価値観の押し付けになっていないだろうか。


自分の正義感によって反社会的人間を排除しようとする他者支配という人を操作する行為が始まっているのではないか。

 

正義を武器に反社会的な人間を排除してもそれは逆効果だ。

 


差別が差別を生み、復讐が復讐を生み、負の連鎖は止まらなくなってしまう。

 

 

 

 

私達の生きている社会は、とても危い世界だ。

 

良心の欠如した人間が溢れ、良心的にみえる人間も人の搾取や期待からどのように逃げるかと考えを巡らしている。

 

今日、被害者ぶっている人も、明日には加害者になっているかもしれない。

 

あなたの行なっている行為のすべては、あなたの欲望の何かを満たすために行われているかもしれない。


自己犠牲、利他的な行為など、この社会に存在しないかもしれない。

 

 

 

 


このような社会で人はどのようなコミュニティを作り上げていくべきだろうか。

 

コミュニティとは
「人々が共に生き、それぞれの生き方を尊重し、主体的に働きかけていく生活環境システム」を意味している。

 

特に犯罪者が社会復帰する際には、その取り巻く周囲の人々や組織に働きかけていく援助が必要不可欠であろう。


犯罪者の心を私が理解したとしても、それは問題を解決したことにはならない。


その人の取り巻く環境が、その人の行動に大きく影響を及ぼすからだ。

 

社会は犯罪者を排除したり差別したりしてはいけない。


私達はどうしても共に生きていかなければならないからだ。


その人がその人なりに、どのように社会の一員になれるかを共に考えなければならない。

 

罪を犯した人間も社会の一員になれたとしたら、それはその人の心の安定に繋がり、
再犯を抑制する効果があるだろう。


そしてそれは社会の安定に繋がり、あなたの平和な日常を守ることにも繋がるのだ。

 

 


そして出来るなら、犯罪を起こす前の段階で問題を解決に導くような予防ができれば、より多くの人の役に立つだろう。


予防的な活動として、人は何ができるだろうか。

 

 

特に犯罪のリスクが高い人への働きかけは重要であろう。


例えばサイコパスは治療や支援が必要であるにも関わらず、そのような場には現れる可能性は低い。


そのような人間に対して必要な治療や支援を受けやすくするシステムがこれから必要となってくるだろう。


早期発見、早期治療が重要なのは言うまでもない。


現時点では難しいであろうが、学校や会社の健康診断に専門家が立ち会い、評価や問診などを用いてハイリスクな人を発見することができないだろうか。


早期に発見し、定期的に検診や治療を行えば、犯罪を犯すリスクも減るのではないだろうか。


それには、多職種の専門家どうしで連携しあうことが不可欠であろう。

 

 

 


では、健康診断を受けられないサイコパスたちにはどのようにしたら良いだろうか。

 

それはサイコパスの近くにいる人に知らせてもらうしかないだろう。


しかし、自分は悪いと思っていないのに検診や治療というと大抵は怒るであろう。

 

けれど、その治療がサイコパスにとっても有意義な内容ならどうだろうか。


現在、サイコパスの治療に関してエビデンスのある心理療法認知行動療法のみと言われている。

けれども、他にも何か組み合わせてできないだろうか。

 


例えば、自律訓練法やリラクセーションはどうだろうか。


自律神経系の興奮や怒りを鎮め、心身ともにリラックスさせることにより、彼らの衝動的な行動は減少するのではないだろうか。


そして、サイコパスもマッサージに行くような感覚で治療に来てくれるのではないだろうか。最新のVRを用いても楽しそうである。

 

 


そして社会に正しい知識を広めていかなければならない。


人は得体の知れないものは怖いのだ。


その恐怖感は無用な差別を生み、社会に居場所のなくなった人間たちは犯罪に手を染めるリスクが高くなってしまう。

 

 

 


私は、決して反社会的行動を許容しているのではない。


私はそのような行動は断固として受け入れないが、その人間自体を拒絶するようなことはしない。


犯罪者だから反社会的人間だからといって、その人の人間としての価値がなくなるということは決してないのだから。

 

 

私達は知識を持ち、広い心をもたなければならない。

 


もし、私達が様々な価値観を受け入れることができたなら、この世界はもっと美しい世界になるような気がするのだ。

 

 

 

 


つづく